第4便 昭和16年11月8日 於斉斉哈爾(チチハル) [戦地からの手紙]

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大変寒くなって参りました。其の後元気で御執鞭の事と存じます。北満の当地では、もう冬ですね。枯木に雪の花が咲くのも時々見られます。洗濯物が凍り付いて乾かない時もあって、閉口します。でも未だ未だ暖い方で、零下四〇余度の酷寒も間近に迫って居ります。でも元気一杯張り切って居りますから、御休心下さい。嬉しい御便り頂いて、楽しく拝見いたしました。殊に内地の薫を一杯含んだ菊の押花は殊の外嬉しく、戦友にもその薫を吸い込ませてやりました。有難う。内地は秋酣の候で、全山紅葉で見事な事でせうね。稲刈りも■って居るらしく、農村は多忙な毎日を送って居る事でせう。小亀君とも別れて了ったがが、外出先等で良く一緒になる。そして■る■内地の話に花を咲かす。本当に良い戦友です。世話になった事もあるお父様に会ったら、宜敷伝へて置いて下さいよ。

時々暇の折には、陶に帰ってあげて下さいね。

今日も○○[戦後の書き込みでは、「格納庫」]で慰問映画があるとかで、皆んな喜んで居ります。今日はこれにて失礼します。

■■様に宜敷御伝へ下さい。元気でね。

  十一月八日

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